無念の欠場。根本悠生に何が起きたのか。ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジア 2019 第4戦 韓国


2019年8月3日から4日。


韓国南部の全羅南道にある韓国インターナショナル・サーキット(通称:霊岩サーキット)で開催された『アジア・モータースポーツ・カーニバル』。


こちらのイベントでは「ブランパンGT・ワールドチャレンジ・アジア」、「ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジア」、そして韓国最高峰モータースポーツカテゴリーである「スーパーレース チャンピオンシップ」という3カテゴリーのレースが開催されました。


RacingDiaryにとって3レースとも興味深いものではありますが、初の海外取材である今回は企画の根底に『ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアに参戦している根本悠生という若手日本人ドライバーの、海外での活躍を届ける』というテーマを置きました。


しかし、現地からのTwitter投稿でもお伝えした通り、根本選手の乗る66号車は韓国インターナショナル・サーキットでのランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジア 第4戦に出場することは叶いませんでした。


何が起きたのか、RacingDiaryの視点から時系列でお伝えしたいと思います。



2019年8月2日(金曜日)


午前10:00、韓国インターナショナル・サーキットではランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアのフリー走行1が行われていました。


富士スピードウェイでの第3戦から約1ヶ月ぶりのレース。


ランボルギーニ・ウラカン・スーパートロフェオ・EVOに乗り込んだ根本悠生選手は2番手に1.5秒差をつける驚異的なタイムを叩き出しました。


しかし、フリー走行1の走行時間が終了間近、ピットへのインラップを走行中に出来事は起きた。


ターン17でオーバーステアが出て姿勢を乱し、アウト側のコンクリートウォールに左フロントからヒット。

根本選手にとって、2017年から所属しているVSRチームの3年間で初めてのクラッシュとなりました。


「僕のミスです、やってしまいました」


「フリー走行2で搭乗予定だったチームメイトのアレックスにも申し訳ない」


チーム側も「根本がクルマを壊すって珍しい」といった様子。


スクアドラ・コルセのスタッフも修復作業を見守る

損傷は車両の左サイド、中でもフロント側はクラックが入った状態。


金曜日のこの時点ではクルマは治ると多くの人が思っていたと思います。


フリー走行2をキャンセルして、チームは修復に向けたハードワークに入りました。


根本選手もフリー走行1の走行データを見つつエンジニアとミーティングを行ったり。


チームにハードワークを強いる結果となりましたが、フリー走行で叩き出したタイムは前向きになれる要素でもありました。




2019年8月3日(土曜日)

そうして迎えた土曜日朝。


私はスーパーレースのフリー走行の撮影のためにピットレーンにいたところ、携帯に根本選手から連絡が入りました。


「今週末レースできないことが決まりました・・・・・・」


ウラカンのリアシャーシを詳しくチェックしたところ曲がっていることが判明。


それは、サーキットでの修復はできないレベルのものでした。


パドックのホスピタリティビルディングにあるVSRが借りているドライバーオフィスに向かい根本選手に会いました。


何をどう話したのか、不思議と思い出すことができません。


「イタリアにシャーシを戻さなければ修理はできないかもしれない」


「たとえ航空便でも9月の上海ラウンドに間に合わないかもしれない」


そして、根本悠生というレーシングドライバーがプロとして求められている「チームメイトのチャンピオン獲得」という目標から遠のいてしまう。


「来年の活動に影響が出るのではないか?」


様々な不安がのしかかる重い空気が流れる時間でした。


しかし、レースに出れないからと凹んでじっとしているようではプロではありません


気持ちを切り替えて、”仕事”をしなくてはサーキットにいる意味がありません。


ドライブする時間がないのであれば、ドライブ以外の”仕事”が待っています。


それではレースが無くなった週末、根本悠生選手が何をしていたのかを見てみましょう。




コーチング

Vincenzo Sospiri Racingのピット。奥が修復中の66号車、右手前はGT3車両

根本選手が所属するVSR(Vincenzo Sospiri Racing)はランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアに2台で参戦。


うち1台が根本選手と香港出身のジェントルマン、アレックス選手が乗る66号車。


もう1台はマレーシア人ジェントルマンのKumar Prabakaran選手が乗る98号車です。


Kumar Prabakaran選手

根本選手はこれまでものレースウィーク中にKumar選手のタイムアップのためにアドバイスをしていましたが、今回は自らのレースがないこともあっていつもよりガッツリとコーチング。


ドライバーオフィスでオンボード映像やデータをエンジニアと見つつ、1つ1つのコーナーの攻略方法を丁寧に解説していました。


Kumar Prabakaran選手

熱心なコーチングの結果、予選ではフリー走行に対し、7秒という大幅なタイムアップを成し遂げたKumar選手。


Kumar選手は走行後「Yukiの素晴らしいコーチングのおかげだよ」と言っておりました。





”スクアドラ・コルセ”からの依頼

ランボルギーニのモータースポーツ部門である『スクアドラ・コルセ』。


そのスクアドラ・コルセから根本選手に依頼されたのは『サーキットエクスペリエンス』というVIP向けのサーキットの同乗走行企画。


ランボルギーニが認めたプロドライバーがドライブするランボルギーニ・ウラカンの助手席にVIPゲストが乗り、サーキットを1周体験するという内容です。


その際には根本選手もVSRのチームウェアから、スクアドラ・コルセ支給のワークスウェアにチェンジ。


市販車といえど、ランボルギーニ・ウラカン。


その加速や横Gは凄まじく、同乗したゲストも満足した様子でした。




まとめ

根本悠生選手

今回は根本悠生選手のレースでの活躍をお届けするべく、RacingDiaryとしては初めての海外取材を行いました。


結果的に、根本選手がレースで走る姿を見ることができなかったのは非常に残念ではありますが・・・


メディアといえど普段窺い知れない”レースに出ない時のプロフェッショナルドライバーの仕事”の一部を垣間見ることが出来たと思います。


次戦は9月7日〜8日、F1中国グランプリでもお馴染み、上海インターナショナル・サーキットで開催されます。


上海での根本悠生選手の活躍に期待です!!



ALL Text & Photo:RacingDiary

取材協力:Vincenzo Sospiri Racing



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