『2019年全日本F3選手権』に注目すべき理由。

ここ最近、F3関連の話題が飛び交っています。


失格やら審議やら、欠場など、様々ではありますが7月ともなればもうそろそろ来シーズンのお話も進む頃合い。


2020年の国内フォーミュラカーレースに思いを馳せつつ、今回は改めて『2019年全日本F3選手権』というカテゴリーについて特集いたします。




記録に残すべき『2019年全日本F3選手権』

そもそもRacingDiaryではこの『2019年全日本F3選手権』に注目しておりました。


その理由は海外から才能ある若手ドライバーがやって来たという点が大きいですが、もう一つの理由としては「41年に渡る全日本F3選手権最後のシーズンだから」です。


FIAが、この『F3』という規格を大きく変える判断を下しました。


これまでイタリアのダラーラの実質ワンメイクだったF3の規格を放棄


かつて、GP3と呼ばれF1のサポートイベントとして開催されていたカテゴリーの運営権を手に入れ『FIA-F3』の名前を付けました。


ここからはざっくりとした説明になりますが、「FIA-F3」以外にもF3選手権を開催することはできます。


「リージョナルF3」というFIAが新たに提唱したF3規則を導入すれば世界各国のローカル選手権としての開催が可能です。


FIAが提唱する”リージョナルF3”規則で開催されているアジアF3

しかし、リージョナルF3規格に則って開発された車両は2018年までのF3規則に比べタイムも遅く、同じF3でも「FIA-F3」からも運動性能も低くなっております。


実際に鈴鹿サーキットで開催されたアジアF3選手権を観察すると、低速コーナーからの立ち上がりは現在の全日本F3に比べると俊敏さが薄れ、「車が重そう」という印象を受けました。


FIAは「リージョナルF3を経験してからFIA-F3にステップアップすればいい」とでも言いたげな構図にフォーミュラーカーレースのピラミッドを改変した格好となります。


テキストで表記すると


カート→FIA-F4→F3→FIA-F2→F1


というピラミッドが2019年からは


カート→FIA-F4→リージョナルF3→FIA-F3→FIA-F2→F1


と、間に1カテゴリー増えただけのような格好です。


それに対し、反発したレース運営やエントラントも少なくはありませんでした。


実際に旧F3規則をベースにした2019年のユーロ・フォーミュラ・オープン*には佐藤万璃音、角田裕毅、名取鉄平、そしてスポット参戦で松下信治選手が参戦しています。


*ユーロ・フォーミュラ・オープン(ダラーラF312にトヨタエンジンのワンメイク/2018年以前より当時のヨーロッパF3より安価に参戦することができたため、日本からも金丸ユウ選手が参戦。旧スペインF3がベースとなっている)




旧規則を継続した全日本F3選手権

話を日本に戻しますと、全日本F3選手権は世界で唯一、旧F3規則に準じていながらF3を名乗っているカテゴリーなのです。


2019年は2018年のF3規則に則って開催することでFIAからも公認レースとして認められているわけですが、旧規定での開催も今シーズンまでとなります。


来シーズン、『F3』を名乗るためにはFIAのリージョナルF3規則の導入しなければならない状況で、すでに日本のレーシングカーコンストラクターの童夢が「F111/3」を開発中


しかし、全日本F3に参戦しているエントラントには2018年までの旧F3規則の継続を求める声も少なくなく、そんな声に応えるようダラーラからは既存シャーシからもアップデート可能な新マシン「320」の概要が発表されました。


なぜ、F3新規則であるリージョナルF3規則に準じたくないと考える人も少なくないのか。


それはこれまでの車両に比べ、数秒単位で遅くなるリージョナル規則がF3の本質である『ドライバーの育成』に適しているのかが疑問視されているからです。


6月には海外メディアからの一報で来期の全日本F3は「スーパーフォーミュラ・ライツ」という名称になるのでは?と報じられています。


それはダラーラのアップデートキットを導入し、2018年までの旧規則を継続する可能性が高いからでは?と予想されているためです。


裏どりをしようにも「まだなにも決まっていない」というのが実際のところのよう。


来シーズンまで、残りの時間はそう長くはありません。


だからこそ、RacingDiaryでは『2019年全日本F3選手権』に引続き注目し、変革のタイミングを迎えたこのカテゴリーの行く末を見守りたいと思います。



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