経歴から紐解く”タチアナ・カルデロン”というドライバー


2020年、国内最高峰フォーミュラカーレースであるスーパーフォーミュラに参戦するスリーボンド・ドラゴコルセ(ホンダ勢)のドライバーとして発表されたタチアナ・カルデロン(26歳)。


国内トップフォーミュラに参戦する久しぶりの女性ドライバーであることや、アルファロメオF1チームのテストドライバーという肩書で語られることも少なくはありません。


ここで、スーパーフォーミュラの開幕までにタチアナ・カルデロンというドライバーへのさらなる理解を深めるべく、彼女のレース経歴を中心に紐解いていきましょう。



1993年生まれのタチアナ・カルデロンはコロンビアの首都ボゴタ出身。


父アルベルトはコロンビアの元大統領フアン・マヌエル・サントス・カルデロンの従兄弟、母はセルジオ・アルボレダ大学の共同創設者の娘であり、両親ともにボゴタで韓国の自動車メーカー起亜自動車のディーラーを経営しているという裕福な家系の生まれです。


9歳でレンタルカートを初体験したカルデロンは父にレーシングカートをねだり、10歳からレーシングカートでのキャリアを開始しました。


カルデロンがレーシングカートをねだった2002年には地元コロンビア出身のファン・パブロ・モントーヤがF1でランキング3位に入った年であり、彼女自身もファン・パブロ・モントーヤに影響を受けたとコメントをしています。


2009年、16歳となったカルデロンはフォーミュラカーレースに進む前に、ライトウェイトスポーツカー”ラディカル”で競われる『ラディカル・ヨーロピアン・マスターズ』のSR5クラスでスポーツカーレースにデビュー、SR5クラスには3人のエントリーしかなかったため、10レース全てで表彰台を獲得し、1勝を記録。


フォーミュラカーレースへのデビューは2010年、地元コロンビアからも近いアメリカで開催されているスター・マツダ・チャンピオンシップ(現:プロ・マツダ・チャンピオンシップ)にインディカーでもおなじみのユンコス・レーシングから参戦、翌年も同じ体制で参戦し、2度の表彰台を獲得しています。



2011年には当時ユーロF3オープンという名称で開催されていた現在のユーロ・フォーミュラ・オープンにスポット参戦を果たし、以降F3クラスでのレースが続きます。


2015-2016の冬季にはMRFチャレンジ フォーミュラ2000の全戦に参戦、この年のMRFチャレンジにはハリソン・ニューウェイ、ピエトロ・フィッティパルディがフル参戦しており、松下信治、ショーン・ウォーキンショー、ミック・シューマッハ、ジュリアーノ・アレジがスポット参戦していました。


後のスーパーフォーミュラ・ドライバーも多いシーズンで、カルデロンは第3戦ドバイのレース2で初優勝&ファステストラップを記録、その後も連続して上位入賞を続け、ピエトロ・フィッティパルディに次ぐドライバーズランキング2位を獲得しています。


2016年から2018年までGP3に参戦、アーデン、DAMS、イェンツァーと1シーズンごとにチームを移籍するも突出した結果は残せず。


2017年からアルファロメオ・ザウバーF1の開発・テストドライバーに就任し、1年目はシミュレーター作業に従事、2018年にはアルファロメオ・ザウバーのC37をドライブしている。


2019年はFIA-F2にデビューするもドライバーズランキングでは、シーズン後半にスポット参戦した佐藤万璃音に次ぐ22位で終えています。


本記事執筆時点での最新のレースである、2019-20アジアF3選手権にも参戦していますが、第2ラウンド/6レース終了時点で、同じくFIA-F2ドライバーだったニキータ・マゼピンには51ポイントという大差をつけられ、Wシリーズチャンピオンのジェイミー・チャドウィックにも3ポイントリードされており、選手権上位9名に与えられるスーパーライセンスポイントの獲得も危ういランキング11位となっています。(補足:ピエトロ・フィッティパルディはランキング12位となっている)



女性ドライバーであることを考慮せず、他のドライバーと同じく”リザルト”だけで語ろうとすると表現が難しく、かといって安定した成績と書こうにも参戦カテゴリーによってばらつきがあり、必ずしも”安定した成績”とも言い切れないというのが正直な感想です。


ただ、未だにスーパーフォーミュラで使用されているダラーラSF19とヨコハマタイヤの経験もないことも事実であり、合同テストで大きく化ける可能性も否定はできません。


スリーボンド・ドラゴコルセとカルデロンのタッグが2020年のスーパーフォーミュラでどのようなシーズンを見せるのか、文字通り、注目したいと思います。


Photo:tatianacalderon.com

Text:RacingDiary編集部

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