ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジア それぞれの最終戦④ Race2 VSRの”プロとアマ”の勝利

長年ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアを見続けている人にとって、2019年シーズンは『当たり年』だったのでしょうか、それとも『昨年の方が面白かった!!』『毎年こんな感じ』といった感想の方が多いのでしょうか?


2019年シーズンから足を運ぶようになり、このカテゴリーの魅力、興行としての立ち位置などもようやく見えてきたところで第6ラウンドの最終戦・ヘレスを迎えてしまい、『もっと見てみたかった!!』という欲求と共に上記のような考えが浮かんでしまうのです。


私の感想ですか?


ここだけあえて普段使いの言葉で表現いたしますと『バチクソ面白かったですよ』。


それでは今回は根本悠生選手の所属するVSR視点でのランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジア 最終戦Race2を見ていきましょう。




プロの仕事

ワールドファイナルを前にしたアジアシリーズとしては最後のレースとなる最終戦 Race2はライバルである238号車HOJUST RACING(アフィック・ヤジッド&落合俊之)の後ろ総合4番手、プロアマクラス2番手という位置からスタート。


根本悠生選手の乗る266号車Vincenzo Sospiri Racingのスタート担当は根本選手のチームメイトで香港のアマチュアドライバー、アレックス・アウ(Alex Au)選手。


266号車の作戦は大雑把な表現をすると『アレックス選手からミニマムの周回数で根本選手に交代し、ハイペースでラップを刻み続けて238号車をコース上で交わす』というもの。


これはRace1で238号車にやられた流れであり、プロアマクラスではセオリーの、”策”というにはかなりシンプルなもの。


50分間のレース、各サーキットごとに指定される最低ピットストップ時間、10分しかないピットレーンオープン、給油無し、タイヤ交換無し、という中では、戦略もできることは限られています。


”シンプルに相手より速くラップを刻み続ければいい”というものですが、『”プロドライバーが速い”だけでは勝てるものでもありません、アマチュアドライバーのラップタイムもプロ並とまではいかなくとも”速く”、それでいて継続してラップを刻める必要があります。




ライバルのラップタイムよりも・・・

根本悠生選手のチームメイトのアレックス・アウ選手は2011年にフェラーリ・チャレンジ・APACでレース参戦を開始し、GT3、LMP3、LMP2と、スーパートロフェオより速い車両でも経験を積んでいるアマチュア・ドライバー。


アマチュアの中で速いドライバーではありますが、プロとの比較となれば大きなギャップがあり、そのギャップを埋めるためにも根本選手とのコンビネーション、時にそれは”根本選手によるコーチング”と呼ばれるレベルのものまで行われます。


以前の記事でもお伝えしましたが、プロドライバーはただ速く走るだけが仕事ではなく、”アマチュアドライバーがより速いタイムで走行できるようにサポートする”ことも大切な仕事です。


午前中のRace1では後半13周から登場したアレックス選手は混雑したコース上で他車を交わすのにてこずりラップタイムが1'45秒から49秒とばらつきが発生、Race2ではより安定したラップを走ることが求められました。



レースでは1週目の1コーナーでアマクラスの239号車 T SQUARED RACINGから参戦する HAN Huilin(中国)にかわされ、3コーナーで同じプロアマクラスの222号車 アントニオ・カイローリ(イタリア)にも交わされますが、執拗なブロックはせずラップタイムを安定させることに専念します。


2週目に1'46.490秒を記録してからはインラップを除き、1'46秒前半の+−1秒以内で走行を続け、ピットレーンオープンの10周目にピットイン。




プロのもう一つの仕事

根本選手に交代してからは9周連続で1'44秒台を記録。


プロクラスも含めたアジアシリーズ最速ペースで238号車とのギャップを詰めます。


最速ペースを保ちつつも、コースサイドから見る266号車に不安定感は皆無。


1コーナーの出口も縁石を目一杯使いスピードを乗せて2コーナーへ。


2コーナーのターンインでは”曲がらないウラカン・スーパートロフェオ・EVO”のテールをわずかにスライドさせながら侵入。


手元のスマートフォンでライブタイミングを確認しなくとも、眼に映る車両の中で最速であることはすぐに理解できました。


1ラップで2秒の差を埋めつつ周回を重ね、24周目に落合選手の乗る238号車を捉え、1997年のF1 ヨーロッパグランプリでミハエル・シューマッハとジャック・ヴィルヌーヴが接触した”6コーナーのヘアピン”でオーバーテイク。


プロアマクラス首位になると少しペースを抑え1'45秒台で周回を重ね、チェッカーを受けました。




決勝結果(出走16台/完走13台)

1:268 GAMA RACING(エヴァン・チェン/クリス・ヴァン・デル・ドリフト)

2:263 FFF RACING TEAM(笠井崇志/ユソ・プハッカ)

3(Pro/Am 1位):266 VSR(アレックス・アウ/根本悠生)

4(Pro/Am 2位):238 HOJUST RACING(アフィック・ヤジッド/落合俊之)

5(Pro/Am 3位):277 LEIPERT MOTORSPORT(フィリップ・カドゥーリー/ダン・ウェルズ)




鈴鹿以来のクラス優勝

266号車VSRとしての勝利は第2ラウンド鈴鹿のRace1で総合優勝を決めた時以来でした。


VSRにとっても翌日から開催されるワールドファイナルに向けた前哨戦の意味合いが強かったとはいえ、2戦の欠場が開けてから初めての勝利にチームスタッフも笑顔。


ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジア 2019年シーズンの全てのレースが終了し、プロアマクラスチャンピオンは238号車 HOJUST RACINGが獲得。


266号車はシーズン6戦中2戦欠場のアレックス・アウ選手がポイントランキング3位、6戦中3戦欠場の根本悠生選手がランキング4位でアジアシリーズを終えました。


次回からランボルギーニ・スーパートロフェオ・ワールドファイナルの模様を2編に分けてお届けいたします。




ギャラリー

アレックス選手、落合選手、根本選手のシャンパンファイト

落合選手からシャンパンを浴びせられる根本悠生


レース後の記念撮影

ALL Text & Photo by RacingDiary




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