ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジア それぞれの最終戦① ”プロドライバー”根本悠生


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ランボルギーニ・スーパートロフェオというレースを1シーズン追ってみて筆者が感じたこと。


それは『2019年のスーパートロフェオ・アジアはプロアマクラスが特に面白い』ということです。


プロ2名のコンビで走るプロクラス、プロとアマチュアのコンビで走るプロアマクラス。


本来花形であるべきプロクラスのエントリーが2台しか無かったこともありますが、プロアマクラスのトップ争いの2台に日本人ドライバーが搭乗していたことが大きな理由だと思います。


一人はアマチュアドライバー落合俊之選手。


愛知県名古屋市でランボルギーニ専門店『ランボスタイル』を経営する傍ら、長年スーパートロフェオに参戦してきた50歳のベテランアマチュアドライバーです。


もう一人はランボルギーニ・スクアドラ・コルセのヤングドライバープログラムへ選出された経験もあり、先日23歳の誕生日を迎えたばかりの”プロドライバー”の根本悠生選手。



今回はプロアマクラスで戦う二人の日本人のうち、”プロドライバー”の根本悠生選手の最終戦 レース1の模様をお届けいたします。





”不運やミスがなければ速い”とよく言いますが。

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2019年シーズン開始前の前評判ではプロアマクラスのタイトルは落合選手とアフィック・ヤジッド選手のHOJUST Racing 38号車と根本選手とアレックス・アウ選手のVSR 66号車が争うといったものでした。


開幕戦となった4月のマレーシア、セパン・サーキットでのレースで根本悠生選手が体調不良で欠場。


また、第4ラウンドの韓国ではフリープラクティス1のクラッシュで車両を大きく損傷し、韓国ラウンド、上海ラウンドを欠場することとなりました。


今シーズンは不運やミスが続いてしまった根本選手でしたが、出走できた鈴鹿、富士ではHOJUST Racing 落合&ヤジッド組の最大のライバルとして立ちふさがり、鈴鹿ラウンドのレース1ではプロクラスの2台を従えて総合優勝を獲得。


”不運やミスがなければ速い”


それはレーシングドライバーであれば皆そうなのかもしれませんが、根本選手の場合はその速さには”圧倒”されるものがありました。


それはヘレスで開催されたスーパートロフェオ・アジアの最終戦の予選Q1でも見ることができます。





予選Q1

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ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアの最終戦のレース1のスターティンググリッドを決定する予選Q1では根本選手がアタックを担当。


1’41.829を記録しポールポジションに輝きました。


2番手のクリス・ヴァン・デル・ドリフト(Gama Racing/Proクラス)は1’42.963と根本選手から1.134離されてしまう。


これにより、根本選手はプロクラスの2台を従えてスタートすることに。


日本チーム HOJUST RacingのQ1担当は落合選手、1’43.801を記録し総合7番手となりました。




予選 Q1結果(出走16台)

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PP :Yuki NEMOTO 1’41.829(Pro/Am)

2nd:Chris VAN DER DRIFT 1’42.963(Pro)

3rd: Takashi KASAI 1’43.371(Pro)

        ~

7th: Toshiyuki OCHIAI 1’43.801(Pro/Am)





決勝

レース1のスタートは実に奇妙な光景となりました。


USAシリーズの車両も含め全32台の先導を務めたオフィシャルカーのウルスの無線が故障し、管制からのピットロードへ入るように、という指示が届かずコースにステイアウト。


しかしグリーンフラッグが振られてしまったため、規則通りレースはスタートし、SCボードが提示されました。


そんな中、USAシリーズの車両からオイルが漏れ、1コーナーにオイル処理が入った結果SC導入で3周を消化し、4周目からリスタートとなりました。


SC導入で9分ほどを消化することとなり、これがプロアマクラスの結果を大きく左右することとなります。


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根本悠生選手は1’42秒台を10周目まで刻み続け、2位以下に大きなギャップを築きます。


根本選手にとってはこのギャップを築くことが”プロ”として求められているものであり、ピットロードがクローズとなる14周目までハイペースを維持し続けました。


根本選手からドライバー交代し266号車をドライブするアレックス・アウ選手は43歳のアマチュアドライバー。


プロから3~6秒遅れの1’45秒から1’49秒台のタイムで周回を重ねます。


こうなると、総合2番手のエヴァン・チェンや総合3番手のユソ・プハッカといったプロクラスの2台がすぐに追いつきますが、ポジションキープをして、タイムを落とすとクラス優勝を争う238 Hojust Racingの落合選手から変わってドライブする"プロドライバー”アフィック・ヤジッド選手にも交わされてしまうことからVSRの266号車は最終コーナーでプロクラスの2台を先に行かせます。


ライブストリームではその後、チェンとプハッカのタイトル争いを映し出しましたが、総合4番手のアフィック・ヤジッド選手が1周あたり2秒、アレックス・アウ選手より速いペースで追いついてきました。


最終LAPのホームストレート Photo by RacingDiary

最終ラップまでアレックス・アウ選手は持ちこたえますが、”プロドライバー”のアフィック・ヤジッド選手の猛烈な追い上げを防ぐことは叶わず、0.2秒差でHojust Racingが総合3位&クラス優勝を獲得。


根本悠生&アレックス・アウ組のVSRは総合4位、プロアマクラス2位でチェッカーを受けました。





決勝結果(出走16台/完走14台)

プロアマクラス表彰台 Photo by RacingDiary

1:268 GAMA RACING(エヴァン・チェン/クリス・ヴァン・デル・ドリフト)

2:263 FFF RACING TEAM(笠井崇志/ユソ・プハッカ)

3(Pro/Am 1位):238 HOJUST RACING(アフィック・ヤジッド/落合俊之)

4(Pro/Am 2位):266 VSR(アレックス・アウ/根本悠生)

5(Pro/Am 3位):277 LEIPERT MOTORSPORT(フィリップ・カドゥーリー/ダン・ウェルズ)





『プロアマクラスの面白さ』とは?


ここまでお読みいただいた方にはお分かりかと思いますが、プロアマクラスの面白さには『プロとアマチュアの技量の差』が大きなポイントになっています。


例えば、今回の最終戦 レース1ですが単純な速さだけ見れば266号車の根本悠生選手が一番速かったことは数字でも出てた通り。


ファステストラップだけではなく、安定して42秒台を刻み続けヴァン・デル・ドリフトに対しギャップを作っていた点で、誰にもツッコミを入れられない仕事を成し遂げています。


ただ、プロアマクラスの”プロ”はアマチュアも戦えるクルマを作る、アマチュアのタイムが上がるようサポートすることも求められます。


レース後のインタビューで、もし「アマチュアが遅くて負けました」と言うようなドライバーであれば特集する”プロ”ドライバーに値しないと考えています。


どんな答えが返ってくるか、正直不安な気持ちも抱きつつ、レース1終了後の根本選手にお話を伺いました。





レース1後インタビュー 根本悠生

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根本「スタートの影響で9分消化してしまったことは想定外でしたが、タイム的には全然勝てるレースでした。


レース2に向けてはプロ3台の後ろなので、前の3台の後ろをついていけば問題はないと思っています。


レース1で最後の最後までクラス首位を維持できたので、後半僕が乗るレース2はおそらく勝てると思っています。


そのためには『どれだけ僕がぶっ飛ばせるか』ですね。


僕の仕事は”彼(アレックス・アウ選手)をサポートする” それだけなので。





まとめ

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ここで話を『2019年のスーパートロフェオ・アジアはプロアマクラスが特に面白い』という話題に戻しますが、プロアマクラスが面白い理由は『プロとアマチュアの技量の差』と『技量の差を埋めようとするプロ』の活躍だったりします。


根本悠生選手の場合、”ブレーキングでオーナーテイクすることが苦手なチームメイト”をサポートするために、一緒にオンボードを見てスーパートロフェオ・EVOで使えるブレーキングのコツを伝授したり、チームメイトのサポートに心血を注いでいるという印象を受けます。


その献身的なサポートの結果、レース2ではどんな結果となったのでしょうか。


次回は予選Q2とレース2の模様をお届けいたします。



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